【経験談】プロダクションマネージャーという職種【解説】

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このブログのサブタイトルを読み「プロダクションマネージャーってなんやねん」と思った読者諸兄も少なく無いだろう。大変今更ではあるが、この仕事がどのようなものであったかの解説を試みる。

職務内容 – 概要

CM制作のプロダクションマネージャー(PM)は、広告映像制作における全体の進行管理と現場の潤滑油的役割を担うポジションである。

職務内容 – 詳細

プロダクションマネージャーは、制作現場で「予算・スケジュール・人・物」のすべてをコントロールする役割である。
具体的には:

  • 企画〜納品までの進行管理
    • 撮影日程の調整、ロケ地の手配、キャストやスタッフのスケジュール管理
  • 予算管理
    • 制作費の見積もり、コスト配分、支払い管理
  • 制作現場の運営
    • 撮影当日のタイムキープ、必要備品・機材の準備、トラブル対応
  • 各部署との橋渡し
    • 監督・カメラマン・美術・照明・制作会社・広告代理店との連携
  • ポストプロダクションの調整
    • 編集、音響、カラーグレーディングなどの工程管理

要するに「現場の何でも屋」別名:奴隷の仕事ですが、その分プロジェクト全体を動かす要となる。

平均年収

  • 経験1〜3年目:年収288〜320万円
  • 経験3〜5年目:年収320〜450万円
  • 経験5〜10年目:年収450〜600万円
  • 大手制作会社/広告代理店系:600〜800万円も可能
  • フリーランス:案件単価で50〜150万円 (CM規模やクライアント次第)

※深夜や休日稼働が多く、時間単価は低くなりがちだが、案件によっては滅多にない幻の高額報酬もある。

ステップアップの方法

  • 制作進行 (Production Assistant) からの昇格
    • 現場経験を積み、全工程を理解する
  • PMからプロデューサーへ
    • 予算規模の大きい案件を任され、企画段階から参加
  • 演出やディレクターに転身
    • 現場経験を活かしてクリエイティブ側に進む
  • フリーランス化
    • コネクションと実績を武器に独立
  • 海外案件や映画制作への応用←この職種のまま唯一収入を爆上げする方法である。米国でのプロダクションマネージャーの地位は高く、報酬が高い傾向にある。
    • 英語力や異文化制作の経験を活かす

社会的評価

  • 業界内評価
    現場運営を一手に引き受けるため「便利」「頼れる存在」「いないと回らない人」と高評価。
    特に代理店やクライアントからの信頼は昇進・独立の鍵。
    新人のうちは特に監督、次いでプロデューサーとの仲の良さが頭角を現すきっかけとなりやすい。
  • 一般社会的評価
    職種としての知名度は低め。「CMの裏方」として認識されがち。大体「テレビ業界でいうAD」と説明することとなる。実際は少し毛色が異なる。
    ただし業界人同士では「修羅場を切り抜けた経験があるタフな人」というリスペクトが大きい。
  • やりがい
    完成したCMがテレビやネットに流れ、社会に影響を与える瞬間は大きな達成感。
    CMを打てる企業は大体有名大企業なので、異業種転職しようとするとポートフォリオのクライアント名で圧倒できる。但し新人の間は実際の職務内容が弁当発注や絵コンテの印刷などショボいので、多くは書かないことを推奨する。

1日のスケジュール – 撮影日編

大規模ロケ+タレント出演の例

時間業務内容
5:00現場到着・機材搬入立ち会い、スタッフの配置確認
6:00ロケ地最終確認(美術セット・照明・カメラ位置チェック)
7:00キャスト到着、メイク・衣装部門との連携
8:00撮影スタート(タイムキープ・カットごとの進捗管理)
10:00撮影合間に代理店・クライアントへ進捗報告
12:00昼食(同時に午後の段取り確認)
13:00撮影再開、予算や時間のズレを現場で調整
17:00撮影終了、機材搬出・ロケ地の原状回復
18:00デイリー報告作成(予算・カット進捗・トラブル報告)
20:00帰社または帰宅(ただしメール・電話対応は深夜まで続く場合あり)

② 事前準備日編

代理店との打ち合わせやロケハンの日

時間業務内容
9:30出社・メール確認(キャストスケジュール、機材見積もりなど)
10:00制作チームミーティング(進行状況・課題共有)
11:00ロケハン(ロケ地の許可確認・電源や搬入経路チェック)
13:00昼食&移動
14:00代理店・クライアントとの打ち合わせ(構成・予算・撮影日程調整)
16:00撮影機材・美術セットの手配発注
18:00資料作成・スケジュール表更新
19:30明日のタスク確認・スタッフ連絡
20:00退社(撮影が近い場合は帰宅後もリモート対応)

プレゼン前日編

新規CM企画の提案資料を翌日に控えた日

時間業務内容
9:30出社・メール確認(最新のクライアント要望や修正依頼チェック)
10:00制作チームミーティング(資料の進捗と役割分担を確認)
11:00広告代理店のクリエイティブディレクターと監督を交えて構成案の最終すり合わせ(映像サンプルやコンテの確認)
12:30昼食
13:30資料作成開始
・コンテ作業
 監督の絵コンテをもとに事前に発注しておいたプレゼン用清書絵を組み合わせ、クライアント提出用絵コンテに仕上げることもある。待ち時間が死ぬほど長い
・サンプル映像
 既存のCMや映画、ドラマのシーンを切り貼りし、今回提案するCMのイメージ映像を作る。1週間でドラえもんを150話観たり、徹夜で進撃の巨人のミカサが登場するシーンのみを切り出すなどして監督と編集さんに献上する素材を見繕うことも下々のものの役目である
・映像コンテ
 清書版絵コンテを使ってCM風に仕立てる。コマ割り通りの秒数で絵を切り替え、簡単なエフェクトをつけたり、声優さんを呼んでセリフを吹き込んだりする。基本監督と編集さんがやってくれるのでプロダクションマネージャーの出る幕はおつかいと弁当運びくらいしかない
18:00進捗確認会
この辺でクリエイティブディレクターが新案を思いつき、〇〇篇を何本か追加することがあリ、修正や追加作業が始まる
22:00進捗確認会
この時間に提出物がまとまってきたら良い方。全員で資料に目を通し、映像は一通り放映し、仕上がりの確認・誤字脱字のチェックなどを行う
00:00プレゼン用映像の最終書き出し&バックアップ(USB・クラウド両方)
01:00資料出力・確認
02:00退社。予算あるクライアントの場合はタクり、無い場合は名刺1枚渡すだけで泊まれる契約のビジネスホテルに宿泊あるいは会社のソファで寝る
4時くらいまでかかったら寿司ざんまいで夜食を食べながら時間を潰して始発で帰る

このタイムスケジュールを見るとわかることがあるだろう。

  • 撮影日は体力勝負+トラブル対応力が必須
  • 準備日は交渉・調整・資料作成が中心
    という二面性がよくわかる。

まとめ

CM制作のプロダクションマネージャー(PM)の仕事は、一言でいえば「現場の何でも屋兼トラブル吸収装置」である。

まずは 業務範囲の広さ。
予算を握り、スケジュールを仕切り、スタッフやキャストを手配し、ロケ地の許可も取って、機材も揃える。
撮影当日はタイムキーパー、場合によっては雑用係まで兼務。
まるで「人間マルチツール」だ。

次に 拘束時間の長さ。
撮影日は夜明け前から深夜まで立ちっぱなし。
休憩中にスマホを見れば、新着メールが30件。
「今日は早く帰れそう」なんて言葉は、都市伝説級のレアワード。

そして 調整力の試練。
監督は「このカットにもっと時間を」、
クライアントは「いや、予算はもう限界」、
照明チームは「あと10分ください」と言う。
まるで四方八方から縄で引っ張られる綱引きの真ん中にいる気分。

さらに、現場は生放送番組のように何が起きるかわからぬ。
雨、停電、機材故障、キャストのドタキャン…。
そのたびPMは「はい、次の一手!」と瞬時に差し替え案を出す。

しかも、華やかな完成品が世に出ても、名前が載るのは監督や制作会社。
PMは「縁の下の力持ち」どころか、地下室の奥で歯車を回している存在です。

それでも、全部の歯車が噛み合って撮影が成功し、自分の関わったCMがテレビやSNSで流れる瞬間──
あの達成感は、間違いなくPMだけが味わえるご褒美である。

げんじつ!

というのは大分盛った話であり、ワイは「このCM関わった」と同じテレビを見る人物との話題に使う程度で特に達成感は感じていなかった。
なんならテレビが放映されている時間に家に帰れないのであるからして、携わった作品に出会えるのは稀である。

ワイはプランナー志望であったので、各種業務の中ではプレゼン作業が強いて言えば好きと言える業務であったが、基本的に翌朝までかかり、明け方プロデューサーかは「ありえない口臭してんぞ」などと言われながら監督の指示を共有するなどしていた。
唯一のマシな業務も楽しくない。

そして監督とのコネを作ろうと仲良くなると、その監督の撮影に駆り出される。
撮影、一番嫌いなのに。
急に呼ばれてコンテを渡され、よくわからないままキャストの世話係をやっていると気が利かないとどこからともなくヤジが飛んでくる。
バリューが発揮できず評価を落とす。うーん控えめに言って地獄

撮影前日は何故か飲み会。
明日5時集合なのになぜ0時から……?
人生で出会った謎の中で一番デカい。

土日が基本的に潰れる。しかも直前に。
であるからして、友人と遊んだのは年に2回のみ。
内1回は前日に潰れかけたため、先輩に
朝までやって作業進めておくので」と頼み込み
11時から16時までの自由時間を勝ち取った。
時間無制限のリアル脱出ゲームに行ったが、ワイだけ脱出できずに会社へ向かった。

こんな生活であるが、入社半年で裁量労働制となり、月に18万円ほどしかもらえない。
裁 量 な い の に

結論

万人にお勧めできない職業である。

ただ、この職種を1年半経験したことにより、大体の仕事をぬるく感じられるのは利点かもしれない。
「あの時は3日寝なかった。まだ2日だから大丈夫だ」
「この上司は気に食わないがワイが尻拭いする案件を発生させていないだけマシ」
と言った具合に、底辺の生活を経験したことから大体のことに動じなくなった。

しかしもう一度言おう、
万人にお勧めできない職業である。

以上。

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